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印傳屋の印伝(inden)

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江戸時代に始まったとされる甲州印伝、文様が漆付けされた鹿革の風合いには味わい深いものがあります。 写真は私が使っている伝統の波文様の名刺入れ。名刺入れといっても本来名刺入れでないものを名刺入れとして使ってるので、名刺の出し入れには少々テクニックを要しますが、かさ張らないので重宝している次第です。 先頃新たに買い求めたものが下の写真。これも伝統のとんぼ柄。入れているものは、JRの新幹線用EX-ICカードと同じくJRのSMART-ICOCA。 女子美術大学や印傳屋のfacebookによれば、女子美術大学×印傳屋の産学共同プロジェクトが行われ、女子美デザインコンペも開催され、また女子美術大学の校章である八咫鏡(やたのかがみ)をモチーフとしたオリジナル印伝「JYOSHIBI×INDEN-YA」が2015年11月から大学のグッズとして期間限定、数量限定で販売されたそうです。 印伝そのものを知らない、という方も多い感じなので、ファインアートであれ、工芸であれ、デザインであれ、特にそうした方面に進もうとする若い世代がこうした日本古来の文化に接することは、自らの創作フィールドを広げ得るという点でとても有意義なことです。 印傳屋facebook: https://www.facebook.com/indenya 女子美術大学facebook:   https://www.facebook.com/JOSHIBIofficial/ https://ja-jp.facebook.com/JOSHIBIofficial/posts/544443082370482

氷嚢釣(ひょうのうつり)

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2015年の現代の日本では、代替テクノロジーの進歩ですっかりと出番がなくなった氷嚢釣、この写真は50数年前の1960年代の木製組立式の氷嚢釣のヘッド部分です。 その昔、風邪などで熱が出たとき頭を冷やすときに使われた道具で、土台部分を布団頭部の下に差し込んで固定し、突き出した棒のところに氷を入れた袋(氷嚢)を額に当たるように吊り下げ、頭の上から氷嚢、下から氷枕、という具合です。 現代でも氷嚢スタンドなどの名称で金属製のものが流通しているようですが、金属やプラスチックが隆盛する前の道具類はこうした木製で、この氷嚢釣は氷袋を引っかける棒の先端に金具がついている以外、他はすべて木で、壊れて破棄するとしても、分別面で誠にエコ仕様です。 シンプルでマニアックな機能的な造形は、豊かで美しく、とてもおもしろい。 *組み立てるとこんな感じです。 *手前右に見えるものは、氷を細かく砕くためのツール。 *手前左の部品は、 高さ調整用の固定ねじ。

京都清水焼の鶯徳利-tokkuri-を壁に飾ってみた

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京都清水焼の鶯徳利、お酒を注ぐ時にピーと鳥のさえずりの様な音色を奏でるもので、半世紀以上前の物が我が家の食器棚に使われないままあって、私は日本酒を頻繁に飲まないというか、飲むとしても大きなボトルを買わないし温めても飲まないので、わざわざ徳利のような小分け酒器に入れる必要がない、ということで徳利の出番がなく、さてさてと思案の末、壁面デビューと相成りました。 生の質感と立体感をそのままにと思い、徳利は額縁から数センチ飛び出させた状態です。 部屋に注ぐ光が徳利の表面で反射して背面に映り込み、不規則な光の広がりやら、陶器だけを見ていては気付かなかった陶器表面のうねりを見せたりと、なかなかと表情豊かです。

チョコット撮り散歩20150919/withカメラオブスクラ

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 今年(2015)の日本では8月中旬お盆を境に猛暑から一転すっかり秋めいて、とは言え台風や豪雨が多くてスカッとした秋晴れというものがなかったものの、9月後半の連休は天気が続きそうで、仕事の合間に久々のチョコット撮り散歩です。 今日のカメラは、レンズのないカメラオブスクラタイプの自製カメラ。いわゆる針穴写真機です。 カメラオブスクラは美術の発展にも大きくかかわったと言われます。 光というのは不思議なもの、レンズがなくても小さな穴を通った光が像を創るので、そこへ画像を留めるもの、例えばフィルムの様な感光材を置けば像が映ります。 カメラオブスクラタイプカメラは、レンズの様なパースペクティブ(遠近感)による歪みが生じないこと、そして焦点距離という概念がないこと、そして光の回折現象で不鮮明になる半面光があふれ出た様な描写になること、という具合で、なにせレンズという媒体を通さず小さな穴を通った光を直接捉えているので、光を撮っているという感じが強いのです。 今回使用しているカメラは、光が通過する穴サイズが概ね0.3mm前後で、近距離の50㎜位の距離から撮影して見るとこんな感じです。

チョコット撮り散歩20150513/淡い赤色

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昨日は台風の影響で一日中雨だったけれども、今日はカラリと晴天で心地よい日差し。 本日進行中の仕事は立体物の額装で、細かなパーツを作ったり、 位置合わせが微妙であったりと、何かと肩のこる作業ながら、 仕事を終えて一息、チョコット撮り散歩、本日のテーマカラーは淡い赤色。 台風の名残風に揺れる草花のまさにその細かなパーツは、 風にあおられながら弾力豊かに揺れていて、たくましい。 皐月 皐月が太陽光に透かされ、淡い赤になって風にそよぐ様は目に優しい マーガレットメテオールレッド 白地に無造作に塗られた様な花弁の淡い赤の色合いが、変化に富んでいて清々しい。

チョコット撮り散歩20150504/黄色

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夕方のチョコット撮り散歩。今日のテーマカラーは黄色。 ジャーマンアイリス 花弁が大きく華麗ながら、大きく開いたところに なかなかと出会うことが なかったけれども、 西に傾いた夕日に照らされ、 まるでターナーの絵の如く花弁の中心をイエローに輝かせながら、 風にゆらりゆらりと身を任せていた 「立てば芍薬座れば牡丹…」のシャクヤク 中心は鮮やかな黄色 ユリオプステージ 緑の中にススット伸びた黄色が鮮やか

Heather Rooneyのドローイングイメージが変わった

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この人のドローイングは以前からYOUTUBEで公開されていますが、久しぶりに最近アップ(2015/03~)されたドローイングを見て、以前とイメージが変わった、という印象を受けました。 オリジナルを見ての印象ではなくPC上の動画での話ですから撮影の仕方にもよるであろうし、という前提での話です。 どう変わったかというと、色の抜け具合が良くなった、トーンが豊かになった、という印象です。 テクニックが上がった、ということなのかも知れませんが、一方で、色鉛筆がかわっています。以前は<PRISMACOLOR>でしたが、今年2015年に入ってからUPされたものは<LUMINANCE6901>(スイスのカランダッシュ製)を使ってます。紙もかわっているのかも知れないけれど、これは分からない。 Heather Rooney / My True Self

筆記具、文化の差?or文化度の差?

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アート分野の商品展開をしている欧米の筆記具メーカーで日本でもよく知られているのは、ファーバーカステルやステッドラーなどがあります。 こうしたメーカーの海外でのプロモーションに触れるにつけ、私はいつも筆記具についての欧米と日本との文化の差を想起させられるのですが、実はこれは文化の差というより文化度の差なのかも知れません。 STAEDTLER Art Village @Berlin Festival 2014 Faber-Castell: The Perfect Gift Faber-Castell: The Drawing Center

写経仏画

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この写真は、和紙に筆文字で書かれた般若心経写経の部分拡大です。 その全体像というのが次の写真で、図柄全体が20㎝角位の大きさで、線画のように見える線の部分が文字で、般若心経写経の仏画版、いわゆる写経仏画です。 中心部分の文字は、それこそ私のレベルなら0.3㎜の極細ボールペンで何とか書けるかもしれないという細かさで、それを筆と墨で書いているというのが何とも言い難いところです。 先日、知人がこういう教室に行って試してきましたと見せてくれて、その後練習2枚目がこの写真の書です。2枚目とは言え元々書の才にたけているのか実に良く書けており、その教室は山本愚寛門下の藤田祐子さんという方が主宰されているそうなのですが、熟練者は誠に巧みに書かれるというのですから、いやいやこれは感心するばかりです。 図柄は数種あって、知人は他の図柄にも前向きです。 私がお手伝いできたのは、筆と紙の提供で、細いだけの筆は直ぐ息切れするというので、根元が太くて先が細く利きのよいもの、紙は滲まないものが欲しいということなので、ドーサ引きでは芸がないので、竹紙ならいけるかも知れないし光沢があって品があるので、竹紙(100%)。これでまずは試してもらうということにして、試したのが今回ご紹介した書です。

春の白い花、自然の造形には頭が下がります

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近頃、工房の庭にはピンク系の花も多いけれど、白い花も目につくので、チョコット撮り。 白い花弁は、温かな太陽の元では光に溶け込んでいるようだし、 雨が降れば降ったで、ふんわりと白さを輝かせていて、 自然の造形にはいつも頭が下がります。 オダマキ 咲く場所によって色が異なるようで、この花は紫系 イベリス 小さな花弁が集まってふわふわの白という趣 ミヤコワスレ 細長く伸びる花弁がきりっと白さを引き立てている ヤマブキ 柔らかみのある白さが静寂な趣 シャガ 小雨の中で雨粒をはじきながら、ふわふわと揺れている様は、 まるで蝶の様な趣 シバザクラ 芝桜はなんとも種類が多く、せり出すようにして太陽を向く様は、 はつらつとした趣 シバザクラ 境界が解からないほどに群れなして、温かな光に白が溶け込んでいるよう ノースポール 緑の中にスーット咲き伸びて、黄色と対比して白さが際立つ