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氷嚢釣(ひょうのうつり)

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2015年の現代の日本では、代替テクノロジーの進歩ですっかりと出番がなくなった氷嚢釣、この写真は50数年前の1960年代の木製組立式の氷嚢釣のヘッド部分です。 その昔、風邪などで熱が出たとき頭を冷やすときに使われた道具で、土台部分を布団頭部の下に差し込んで固定し、突き出した棒のところに氷を入れた袋(氷嚢)を額に当たるように吊り下げ、頭の上から氷嚢、下から氷枕、という具合です。 現代でも氷嚢スタンドなどの名称で金属製のものが流通しているようですが、金属やプラスチックが隆盛する前の道具類はこうした木製で、この氷嚢釣は氷袋を引っかける棒の先端に金具がついている以外、他はすべて木で、壊れて破棄するとしても、分別面で誠にエコ仕様です。 シンプルでマニアックな機能的な造形は、豊かで美しく、とてもおもしろい。 *組み立てるとこんな感じです。 *手前右に見えるものは、氷を細かく砕くためのツール。 *手前左の部品は、 高さ調整用の固定ねじ。

写経仏画

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この写真は、和紙に筆文字で書かれた般若心経写経の部分拡大です。 その全体像というのが次の写真で、図柄全体が20㎝角位の大きさで、線画のように見える線の部分が文字で、般若心経写経の仏画版、いわゆる写経仏画です。 中心部分の文字は、それこそ私のレベルなら0.3㎜の極細ボールペンで何とか書けるかもしれないという細かさで、それを筆と墨で書いているというのが何とも言い難いところです。 先日、知人がこういう教室に行って試してきましたと見せてくれて、その後練習2枚目がこの写真の書です。2枚目とは言え元々書の才にたけているのか実に良く書けており、その教室は山本愚寛門下の藤田祐子さんという方が主宰されているそうなのですが、熟練者は誠に巧みに書かれるというのですから、いやいやこれは感心するばかりです。 図柄は数種あって、知人は他の図柄にも前向きです。 私がお手伝いできたのは、筆と紙の提供で、細いだけの筆は直ぐ息切れするというので、根元が太くて先が細く利きのよいもの、紙は滲まないものが欲しいということなので、ドーサ引きでは芸がないので、竹紙ならいけるかも知れないし光沢があって品があるので、竹紙(100%)。これでまずは試してもらうということにして、試したのが今回ご紹介した書です。